わらのうどんのルーツは、“さぬき路” といううどんの名店から受け継がれたものです。
わたしが初めてさぬき路さんに伺ったのは中学1年生の時、今から50年も前のこと。
ここのうどんを食べた時の衝撃は今でも忘れることはできません。
初めて岡山に来たかおりとの食事はさぬき路さんでした。
子どもができて、家族での外食もやはりさぬき路さんでした。
船越家の外食といえばさぬき路!よくよく通ったものです。
単なるお客として通っていた私たちが、ある日をきっかけにさぬき路さんと親しくさせていただけるようになりました。
それは…。
3人の子どもがまだ小学生に上がる前のこと。
3人それぞれが
「おいしい!おいしい!」
と言って大人一人前をペロリと平らげてしまったのです!!!
それを見ていたさぬき路のご主人 彦坂さんが声をかけてくださいました。
「こんなに美味しそうに、しかもこんなに小さな子どもが一人前ペロリと食べてくれたのは初めてです!!!」
それからというもの、とてもとても親しくさせていただきました。
わたしたちもさぬき路さんに行くたびに、わらで取れた野菜やシイタケを持って行って喜んでもらったなあ。。。
そんなお付き合いが始まって数年経ったころ、さぬき路さんご夫婦が高齢のためお店を閉めることに・・・。
そして、なんとありがたいことに、
「 私たちが40年かけて積み上げたこのさぬき路の味をすべて伝授するので残してもらえないだろうか」
という信じられないお話をいただきました!!!!!
さぬき路さんは、昭和天皇が岡山に来られた時に食べていただいたという知る人ぞ知るおうどんの名店。技術を受け継ぎたいという職人さんがいっぱいいる中、わたしたち家族にだけ、教えてくださったのです。
何日も何日もさぬき路さんのご自宅に通い、うどんの打ち方、出汁の取り方、具材の選び方から味付け盛り付けまで全て教えていただきました。
そして今、このうどんはわらの名物の一つとしてお客さんにとても喜んでいただいています!
WaRa倶楽無の最後の〆の一品はこのうどん、
百姓屋敷わらのイベントでも欠かすことのできないわらの定番の一品です。
次男耕太と卒業生の山室くんの二人は、この技術を受け継ぎ、とてもおいしいうどんを作っています。大変喜ばれていて、継続的に買ってくださる方もたくさんいるんですよ。
ここ数年は、畑で小麦を育てています。
無農薬無肥料で栽培。天日乾燥。そして製粉はわらの石臼で。このわらの小麦粉を使ったうどんがおいしいのです!
三日後に控えた岡本よりたかさんの農業講座でのお昼ごはんは、うどんをお出しする予定。今、まさに研修生のみんながうどんを作っています!
わらでは、
まず塩水と粉をこねてうどん玉にして、一晩寝かせます。
それから何度も何度も足ふみを繰り返し、麺にしていきます。
麺にしてから三日間冷蔵庫でじっくりと熟成。
湯がくのはもちろん大きな鉄釜。そして薪炊。
うどん自体に旨味と甘味があるので、出汁は必要ありません。
湯がき汁が出汁になっちゃいます。
だから、醤油だけでとても美味しいうどんを食べることができるんですよ!
三日後の昼ごはんの釜揚げうどん、一番楽しみにしてるのは実はわたし自身なのです!