これを食べない秋なんて秋じゃない！というわらの家族み～んなが大好きなものとは？

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秋　“わらのまかないごはん”といえば・・・

わらの秋のまかないごはんといえば、毎年必ず登場するのが前回紹介させていただ“栗おこわ”。それに加えて、もう一つどうしても外せないメニューがあります。これを食べない秋なんて秋じゃない！わらでは考えられない！という家族み～んなが大好きなもの。それは・・・炭火の塩焼きさんま！！！

一匹100円のさんまを買って食べることが夢だった極貧時代

３２年前、この地に引っ越してきた当初は1年間無収入。その後わらを始めたものの、半年間はお客様ゼロ。極貧生活が2～3年続きました。その頃は一匹100円のさんまを買って食べることなど夢のまた夢。

長女藍が産まれ、次男耕太が小学校に入学する頃になって、少し生活にも余裕ができ始め、ようやくさんまを食べることができるようになりました。今でもさんまを食べる度に、わらに来て初めて食べたさんまの味やその時の感動を思い出します。そして、毎年この時期にさんまを食べることができること、このあたりまえの豊かさに感謝して、ありがたさを噛み締めています。

１年に１度だけのお楽しみ★　さんまパーティー☆

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さんまを食べるのは１年に１度だけ。だから、美味しさも倍増します。子どもたちがまだまだ小さかった頃、さんまの日はお昼ごはんは控えめにして、晩ごはんはさんま１匹で白いごはんをお茶碗３杯も４杯も食べていました。

普段は玄米とお味噌汁と漬物だけの粗食。さんまを一匹丸ごと食べられるというのは、当時、子どもたちにとってはとても贅沢な食事なのでした。その上さんまに玄米は合わないので、めったに炊くことのないまっ白けの白ごはんでいただきます。

年に一度のごちそうだから、子どもたちはさんまを食べる日は“さんまパーティー、さんまパーティー！”と喜んで大はしゃぎ。本当に嬉しそうに、美味しそうに食べていた子どもたちの顔が今でも目に浮かびます。

さんまを焼くのはいつも・・・謙雄（けんゆう）くん

まだ８歳だった長男謙雄(けんゆう)は、さんまの日はいつもより早く学校から帰ってきます。私たち両親は何も言わないのに、さんまを焼くための炭火専用のコンロを焚き付け炭の準備をします。夕食の時間に合わせてさんまを焼き始めるタイミングを見計らい、丁度良い加減の炭火を用意します。そして、炊きたてのごはんに、絶妙の焼き加減であつあつのさんまを見事に焼きあげてくれていました。

あれから２５年、さんまを焼くのは今も長男謙雄の仕事です。今年は研修生の柳瀬くんも参加して一緒にさんまを焼くことを楽しんでいました。この柳瀬くんがわらを卒業して、将来家庭をもった時、この習慣が受け継がれ、さんま一匹から、“おいしく！たのしく！ありがたく！今ここにある毎日の暮らしの中にこそ幸せがある！”ということが受け継がれていったらいいなと思います。

電子レンジでチンしても、炭火で焼いても焼きさんまは焼きさんま。電子レンジでチンする何十倍もの手間と時間をかけた焼きさんま。この丁寧な暮らしの中にある充実感や幸福感。これからもこんな暮らしを大切にしていきたいと思います。